125ANNIVERSARYCONGRATULATORY ADDRESS

京都大学医学部附属病院 開設125周年に寄せて

京都大学医学部附属病院の開設125周年にあたり、心よりお祝い申し上げます。

その歴史は、1897(明治30)年に京都帝国大学が我が国で2番目の帝国大学として創設された2年後の1899(明治32)年に、分科大学として医科大学が開校されたことに遡ります。以来、「人類の健康と福祉に貢献すること」を使命とし、医学研究科と一体となって、安心・安全な医療の提供と先端的医学研究の推進に心血を注いでこられました。先端医学医療の面では本学の伝統である開拓精神を基に、生体肝移植の確立と普及、新しいがん治療法や先駆的再生医療の開拓など、世界を先導する輝かしい成果をあげられるとともに、革新的医学研究の成果を少しでも早く人々に届けるべく、我が国の臨床研究中核病院として多くの臨床研究や臨床治験が日々進められています。他方で、地域医療においても中核病院としての重要な役割を担い、先の新型コロナ禍においては、地域の集団ワクチン接種のみならず重症者の救命の最後の砦としての機能を遺憾なく発揮されました。

京都大学医学部附属病院が、今後とも人々が健やかに過ごすことのできる安心社会の実現に向けて、大きな貢献を続けていただくことを心から期待しております。

2023(令和5)年
京都大学総長
湊 長博